2005年08月04日

ひきこもりに、万人に効く処方せんはない

8/1日本テレビ放映のスーパーテレビ「衝撃! ひきこもった息子……その時家族は」を観た。番組のアタマで長田百合子が登場したとき、ため息がでた。またこのおばさんか!

14歳の息子が2階でひきこもっている部屋に父親が乱入し、暴力的に階下に連れてゆく。この場面をみるたびに、なにかが子どもの内面で壊れているような気がして胸が痛む。
父親を苦しめた少年はか細い手足をしていて、少女のようだ。いまどき珍しい黒髪が、肩までぼうぼうに伸びている。
この少年の場合は1年半だったと記憶しているが、劣悪な環境で病気にならなかったのが不思議なくらいだ。
同居しているのは父親と息子のみで、母親と娘は家をでていったという。父親がつくった食事が冷蔵庫のなかから消えているのをみて、息子の生存をたしかめるという日常。

少年の部屋はゴミが散乱し、白い壁にはたくさんの穴があき、柱がむきだしになっている。それが一見こぎれいな家の暗部を示しているように映される。足の踏み場もない空間に、そびえるように存在している、煮しめたように茶色くなった枕とノートパソコンをみたとき、わたしは胸を衝かれた。デスクトップならベッドから離れなくてはならないが、ノートならベッドに横たわったままでも使用可能なのだ。
彼はネットで、どんなサイトをみていたのだろう。あるいはゲームをしていたのか。メールのやりとりをする見ず知らずの相手は、いなかったのか。

長田が介在するなか、少年は観念したかのように家をでる。名古屋市内にある「長田寮」に入り、メンタルケアと称するものを受けることになる。
寮での少年に長田が不登校の理由を訊いたとき、「低血圧」と彼は答えた。小学生〜高校生に増加している「起立性調節障害」という自律神経の病気が原因で、不登校になるケースがある。これは専門医の治療を受ければ、症状が軽減する。彼の不登校の原因がそれなら、治療を受けてほしいと、わたしは強く願う。根性だけでは解決しないケースもあるのだ。

TVで紹介される「長田寮」をみていると、わたしには「戸塚ヨットスクール」が重なる。根っこは同じではないか。
折しも7/22に19歳の男性が、不当な暴力行為とプライバシー侵害で、「長田塾」と主宰する長田百合子を、名古屋地裁に提訴したという。

『嫉妬の時代』で岸田秀は、〈戸塚ヨットスクールと戦後教育〉の章で記している。

自我に混乱や葛藤がもち込まれていることが情緒障害となって表われるわけですから、自我を狭く固めて混乱や葛藤の要因を自我から排除すれば、表面上、一応情緒障害は治ります。
 だが、混乱や葛藤の要因は解決され、消滅したわけではありません。無意識のなかに潜んでいて、絶えず自我へと割り込んでこようとします。それを抑えつけておくためには、恐怖の体制が必要です


戸塚の場合はわかりやすい暴力性がある。一方、長田の場合は「よき教育者」の貌をしているぶん、厄介だ。

子どもがひきこもれるのはいまの親世代までで、次世代の親はひきこもりを容認できないだろうというのを、なにかで読んだことがある。それなら、ニートも容認されなくなるだろう。
高齢化したひきこもりとニートは、どこへゆくのか。


[追記 2005/8/5]
Fonte(旧「不登校新聞」)
Fonteとは
 Fonte(フォンテ)は、ラテン語で「源流から」の意味。この新聞では、不登校から見えてきたことを源流として、広く子どもに関わる問題や、子どもの権利について、また、ひきこもりや社会のあり方について考えていきます。2004年6月より、「不登校新聞」から名前を変更しました。

上記サイトのリンク集に長田百合子に関する書きこみが数件あります。
〈登校拒否を考える親・市民の会(鹿児島) 待ち合わせ用掲示板〉






miko3355 at 23:02│TrackBack(0)TV・ラジオ 

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この記事へのコメント

1. Posted by マッスマッシュ   2005年08月23日 21:27
私も、戸塚ヨットスクールを思い起こしました。
2. Posted by miko   2005年08月24日 09:53
マッスマッシュさま

コメントいただきまして、ありがとうございます。
あの番組で、子どもに内職をさせている場面が映りましたね。
大いに疑問です。