2005年11月09日

「エリックとエリクソン」〜ハイチ・ストリ−トチルドレンの10年〜

「エリックとエリクソン」〜ハイチ・ストリ−トチルドレンの10年〜で検索して、「NHKのDNAとは?」にアクセスされたかたがあり、わたしも検索して当番組について再考してみた。

わたしが観たのはBSドキュメンタリー(BS1・2004/4/3)で、録画したビデオテープがみあたらないので、保存しなかったのかもしれない。惜しいと思うが、そんな気分を味わうのも好きである。
「NHKのDNAとは?」の末尾ですこし触れたが、当番組について印象に残ったところを追記する。

.侫薀鵐垢箸いβ膵颪硫K宗ハイチの独立を許すかわりに4兆円を要求し、すでに3兆円を支払ったという。4兆円はハイチの40数年分の国家予算。
働き者だった兄は銃弾を受けて働けなくなり、近所から残り物をもらう。1日にそれだけの食物を犬に分けながら食す。貧しさの極限で、与えることを知っている人間の豊かさ。
D錣虜覆1日にバナナの煮たのだけを食したからだで、赤ん坊にお乳を与えている。
っ太犬帆鮗阿鯊臉擇砲垢襯魯ぅ舛里劼箸咾函D錣録物を与えられずに育ったにもかかわらず、義父をゴッドファーザーとして、わが子の洗礼を受ける。そのときの正装した弟一家の姿がまぶしい。
ツ錣論車を仕事にしているが、競争が激しく、バツグを売る商売をする。そのなかからひとつのバツグを妻に与えるが、妻はバッグのなかを何度ものぞいて、「お金が入っていない」とつぶやき、落胆をあらわにする。
α仍劼里佞燭蠅蓮∪長するにしたがって生活に差異がでてくる。そんなふたりが河で童心にかえったように水浴びをする姿が、うつくしい。音のない世界で、カメラがふたりを遠景として切りとりながらエンド。
Т僂訛Δ慮鎚未寮犬冒覆┐詢呂鰺する作品として結実している。

わたしはNHK制作だと思いこんでいたのだが、山崎裕(カメラマン)の「知りたいこと」より「知らないこと」を読み、ドキュメンタリージャパン制作だと知った。山崎裕によると、「ディレクターの五十嵐久美子はこの10年間の間、彼らとのコンタクトを絶やすことは無かった」
山崎裕のカメラワークはすばらしい。ラストシーンの残像はわたしの脳裡から消えないだろう。そこにエリックとエリクソンの"それぞれの悲惨な現実"を収斂させた手法は見事である。

視聴者のなかには、わたしのようにNHKが制作した番組だと勘ちがいしたひともいるだろう。クレジット表記をみても、NHKが主になって制作しているような感じを受けると思う。いまごろこんなことに気づくわたしが愚かなのだが、TVジャーナリズムについて疑問をもつ。
ドキュメンタリージャパンのHPによると、当番組は第42回ギャラクシ−賞上半期奨励賞を受賞したらしい。

さて、ドキュメンタリージャパンというと、NHKの長井氏が内部告発した番組を制作した会社でもある。「NHKのDNAとは?」を書いたとき、ドキュメンタリージャパンのHPを閲覧し、下記の記事にも眼を通していた。
2005年1月12日付け「朝日新聞」記事以降のいわゆる「NHK問題」
 に関する報道について



〔ハイチについて参照〕
益岡賢のページ
(左側の場所別その他→ラテンアメリカ/カリブへ入ってください)

ハイチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ハイチ:民主主義に対する拷問
フェイズ・アフマドによるノーム・チョムスキーへのインタビュー(全文)
2003年1月25日

(益岡賢のページ所収/2003年1月28日)


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1. 「エリックとエリクソン」を見て  [ peace*life ]   2006年07月13日 21:22
ハイチ。それは美しいカリブ海に浮かぶキューバとプエルトリコとの間に挟まれたイスパニョラ島の西側1/3を占める国。東側2/3はハイチとは異なる色彩をもつビーチリゾートの広がるドミニカ共和国だ。ハイチはアメリカ大陸ではアメリカに次ぐ2番目の独立国家で、世界初の黒人共...

この記事へのコメント

1. Posted by ★空   2007年05月20日 22:52
初めまして。
私も、「エリックとエリクソン」〜ハイチ・ストリ−トチルドレンの10年〜 を2004年4月に視聴し、その後色々とハイチについて、番組について調べてまいりました。

あれから三年、しつこい位にNHKへ再放送の要望をしてきました。

先日、2007/05/14にNHK Hi ハイビジョン特集で再放送がありました。そして5/22にも午後2時〜3時半まで再放送される予定です。

この三年間、私はエリックとエリクソンの事を忘れた日は一日もありませんでした。そして私自身、生活全般、物事も見方や考え方etcが大きく変わりました。

2. Posted by miko   2007年05月21日 21:59
★空さま

コメントありがとうございます。
最近、本エントリーへのアクセスが急増していました。
本番組を制作したドキュメンタリージャパンのHPで、ハイビジョン特集で再放送されたことを知りました。

たしかにすばらしい番組でした。
録画を保存していなかったのですが、TV画面がいまでも眼に焼きついています。
生きることの理不尽さが身に沁みます。
3. Posted by mayo   2007年05月27日 10:11
はじめまして。
この番組を再放送で観ました。

最後、澄み切った水に浮かぶボートでの二人の会話。
「エリクソン、どこまで行くんだよ?」
「船出しようぜ、エリック」

このあとの小さな文字に打ちのめされました。
「2006年1月 エリクソンは国連兵に射殺された。」

息子のドクソンを愛おしそうに抱いていたエリクソンの映像が頭から離れなくなりました。
4. Posted by miko   2007年05月28日 02:43
mayoさま

コメントありがとうございます。
エリクソンが射殺されたことは、知りませんでした。
残された妻はさらに苦境に陥りますね。
時間の連続性について考えさせられます。
ほんとうに傷ましいです。
わたしは兄のエリックのほうが好きでしたし、その後が気がかりでした。
カメラワークがすばらしい番組でした。