2006年09月23日

にんげんドキュメント「大仏に挑む〜平成の仏師 技と心〜」

9/22に放映された、にんげんドキュメント「大仏に挑む〜平成の仏師 技と心〜」(NHK総合/22:00〜22:50)を観て感銘を受ける。
クレジット表記の制作・著作はNHKとマイ・プラン
〈再放送〉NHK総合:9/26(火) 00:00〜00:50

8/28にハイビジョン特集として放映されたときのタイトルは、「仏心大器 平成の仏師・大仏に挑む」となっている。このタイトルのほうが冴えている。
放送時間は21:00〜22:50(110分)なので、本番組は半分近く短縮されている。

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〔NHKのホームページより〕

 松本明慶(まつもとみょうけい)さん(61)は、日本を代表する仏師のひとり。
 鎌倉時代の運慶、快慶の流れを汲む“慶派”の仏師として44年間で数千体の仏像と9体の大仏を手がけてきた。京都市西京区に工房を持ち40人近い仏師集団を率いて年に150体を超える仏像を生み出している。松本さんの仏像作りは10代のころ弟が急死し仏とは何か自問することから始まった。今も「仏来い」と心の中で叫びながらノミを振るう。
 松本さんは平成18年の春まで、広島県宮島の寺院から依頼された大仏の制作に取り組んできた。身の丈およそ5メートルの不動明王には初めて百檀(びやくだん)を大胆に採り入れた。仏が宿るとされる木で大仏を作ることは長年の夢だったが、素材が非常に硬くこれまでになく神経と力を使う作業が続いた。
 多くの弟子の先頭に立ってひと彫りひと彫りに妥協を許さない松本さん。4年間の精進を経て慈悲と憤怒を併せ持つ不動明王に眼が入った。制作過程を1年近く克明に追い、手を合わせる人ひとりひとりの思いを映す仏像を、とノミを握る平成の仏師の心に迫る。

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近ごろ、なまなましいドキュメンタリーを観つづけてオーバーフローだったので、本番組で一息ついたという感じが強い。
仏像が好きなので、それを彫る仏師については以前から興味があった。
仏像は本体からエネルギーがでていて、それを撮った写真からも同じエネルギーがでているといわれている。ということは、仏師のからだからもエネルギーがでているのであろうか。

松本明慶が広島県宮島にある大願寺から不動明王の制作を依頼されたのは、20歳のころだった。「勉強させてくれ」といい、実際にとりくむまで40年の歳月を要した。
松本明慶の振るうノミの動きに魅せられた。「木のなかに仏が宿っている」というのが伝わってくるような感触。仏が宿る木といわれる百檀はとても硬く、ついにノミの刃が欠けた。
最も緊張したのは「眼きり」(仏にいのちを吹きこむ)の場面。松本明慶は大仏を仰ぎみ、精神を集中させてからノミを入れた。

「仏像は器」という松本明慶の言葉が印象的だった。
手を合わせるひとびとの祈りとともに、仏像は成長してゆく。


〔参照〕

仏師―フリー百科事典(Wikipedia) 

松本明慶 八百年の伝承者

人間劇場 炎の仏師・松本明慶

何百年もの間 思いを込めて 拝まれ続ける仏様






miko3355 at 18:08│TrackBack(0)TV・ラジオ 

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